視野の結果は変動する?
本文でも述べましたが、視野検査の結果は疲労や検査の不慣れにより、けっこう変動します。言い換えれば100回の視野検査でも100通りの結果で出るということです。緑内障の進行の判定や進行速度の判定にはこの視野検査が不可欠ですが、測定するたびに、結果の変動に一喜一憂しないようにしてください。複数の視野検査の結果を使って、統計学的な方法により、総合的に眼科医が判断するものなのです。
一日の中の眼圧の変動の実際
現在、患者さん自身で眼圧を測定できる簡単な機械がありますが、これを使って数日間、ご自宅で測定していただきました結果です。実際に記録していただいた表で、非常に見にくいので申し訳ありません。簡単に解説しますと、表の下半分にそれぞれの時刻に何をしたか、たとえば、風呂に入った、お酒を飲んだ、食事をした、運動をしたなどの項目の記載があります。表の上半部に測定した眼圧をグラフにして記録しています。グラフが2つあるのは両眼を測定したためです。ほぼ2日分の測定ですが、これによると、早朝が高く、日によってけっこう変動しているのがわかります。この変動のパターンは個人差があります。しかしながら、ここで使った自分で測定できる眼圧計は非常に使うのが難しく、残念ながら今では使われていません。

新しい緑内障点眼薬
現在では多くの点眼剤が使えるようになり、患者さんにとってはありがたいことになりました。しかし、全ての点眼剤を全部処方することは不可能です。
現実的には2ないし3種類ぐらいしか点眼はできません。
したがって、患者さんにどの点眼剤を使うかを今まで以上に慎重に考えなければならなくなりました。
また、新しい点眼剤は臨床治験では副作用はほとんど問題なかったとしても、治験の対象になった人は緑内障としては軽い状態で全身的には健康な人がほとんどです。実際に使われる場合の対象の人にはいろんな状態の人がいるので、副作用の発現には注意しなければなりません。
日本眼科学会や日本緑内障学会ではこれらの点眼剤の副作用に関する報告が多数出ています。
とにかく、担当の先生から十分に説明を受け、メリットとデメリットを知った上で使う姿勢が大切です。
現実的には2ないし3種類ぐらいしか点眼はできません。
したがって、患者さんにどの点眼剤を使うかを今まで以上に慎重に考えなければならなくなりました。
また、新しい点眼剤は臨床治験では副作用はほとんど問題なかったとしても、治験の対象になった人は緑内障としては軽い状態で全身的には健康な人がほとんどです。実際に使われる場合の対象の人にはいろんな状態の人がいるので、副作用の発現には注意しなければなりません。
日本眼科学会や日本緑内障学会ではこれらの点眼剤の副作用に関する報告が多数出ています。
とにかく、担当の先生から十分に説明を受け、メリットとデメリットを知った上で使う姿勢が大切です。
手術を優先
英国の緑内障専門家の間で言われだしたことですが、緑内障を見つけたら、始めから手術を行うべきだとの意見があります。
理由は薬物治療を行い、レーザー治療を行ってから手術を行うと手術の成績が落ちるからだということです。
これは、長期にわたる薬物治療は手術後の傷の治りを早め、結果として緑内障の手術成績を落とすということから出てきた考えです。
確かに、私も若い患者さんに対して薬物があまり反応しなかったために早期に手術を施行し、現在でも全く薬物なしで良好な結果を得ているという経験があります。
ですから、私もこれには一応賛成ですが、手術には100%の安全はありませんし、緑内障手術の宿命ですが、一時的にしろ術後の視力が低下することもありますから、全ての患者さんに対して手術治療を優先することには反対です。
理由は薬物治療を行い、レーザー治療を行ってから手術を行うと手術の成績が落ちるからだということです。
これは、長期にわたる薬物治療は手術後の傷の治りを早め、結果として緑内障の手術成績を落とすということから出てきた考えです。
確かに、私も若い患者さんに対して薬物があまり反応しなかったために早期に手術を施行し、現在でも全く薬物なしで良好な結果を得ているという経験があります。
ですから、私もこれには一応賛成ですが、手術には100%の安全はありませんし、緑内障手術の宿命ですが、一時的にしろ術後の視力が低下することもありますから、全ての患者さんに対して手術治療を優先することには反対です。
緑内障でない緑内障
これは緑内障と全く同じ所見(眼底と視野の変化)を示すが、緑内障ではない病気のことをいいます。
脳の下垂体近くにできた腫瘍や、過去に頭に放射線を浴びる機会があったとか、出産時に大量の出血があったという方の中で緑内障と同じ所見を呈することがあります。
私たちはこれを緑内障ではないということで、“偽緑内障”と呼んで真の緑内障と区別しています。
緑内障が疑われてCTやMRIで頭の断層撮影をとる理由はここにあります。
これを治療する場合は元の病気に対して行われます。ですから、緑内障としての治療は原則的には行いません。
脳の下垂体近くにできた腫瘍や、過去に頭に放射線を浴びる機会があったとか、出産時に大量の出血があったという方の中で緑内障と同じ所見を呈することがあります。
私たちはこれを緑内障ではないということで、“偽緑内障”と呼んで真の緑内障と区別しています。
緑内障が疑われてCTやMRIで頭の断層撮影をとる理由はここにあります。
これを治療する場合は元の病気に対して行われます。ですから、緑内障としての治療は原則的には行いません。