点眼治療の実際
点眼治療の目的は眼圧を下げることにあります。ようするに無治療時の眼圧より眼圧が下がらなければなりません。しかしながら、眼圧の項目で説明しましたように、多くの因子の影響で眼圧は変わりますので、いきなり点眼治療を開始しても、点眼後の眼圧が点眼前に比べて本当に下がっているのかどうかわからなくなります。そのためには、一番大きな影響を及ぼす眼圧日内変動を把握してから、点眼治療を開始する必要があるのです。これを眼圧ベースライン測定と言います。しかし、日内変動測定は2時間から3時間毎に眼圧を24時間測定するのですが、現実的には大変で入院も必要になってしまいます。そこで、日中の変動を大まかに把握することで、その人の眼圧変動をおおざっぱに把握できるのです。この日中の眼圧変動測定は決まった方法はありませんので、施設によって違います。簡単にいいますと、治療前に無治療ままの眼圧を何回か測定しようということです。このようにして日中の変動がわかりますと、初めて点眼薬を使用することになります。