- 正常眼圧緑内障
緑内障の中で最も多いのがこの緑内障です。眼圧が正常であるのに、なぜ緑内障なのか?という疑問が生じますが、これは非常に多数の健常者を含む対象者の眼圧を測定した結果から得られた正常値であっても緑内障の方がいたということから名称がつけられました。ということは統計学的に正常値ではあるも、その人にとっては高い眼圧であるということなのです。ですから、このタイプの緑内障の方でも、眼圧下降治療は非常に意味があるのです。次に説明します原発開放隅角緑内障の眼圧が低いタイプと考えてよいのですが、中には充分すぎるぐらいの眼圧下降が得られているにも関わらず、緑内障の進行が止まらない例があり、このような例に対して、従来より眼圧以外の因子である血流障害や神経の脆弱性などが考えられています。 - 原発開放隅角緑内障
正常眼圧緑内障の高眼圧タイプと考えてよいのですが、正常眼圧緑内障より眼圧の影響が強いと考えています。 - 原発閉塞隅角緑内障
この緑内障の発症機序はかなり解明されています。緑内障とはの中で説明しましたが、眼内から眼外に流れる房水の急激な流出障害で発症します。房水は眼球の中の虹彩と角膜のとの間から流れていますが、この間が何らかのきっかけで閉じてしまうのです。この虹彩と角膜との隙間はある程度までは狭くても全く問題ありませんが、ある限界をすぎますと、この緑内障が発症します。一度発症しますと、短時間に眼圧が上昇し、著しい眼圧や頭痛、嘔吐を伴う視力低下(かなり見にくい)が起こりますので、緊急に点滴や手術を実施して眼圧を下げる必要があります。この緑内障で注意が必要な点は、元から解剖学的に虹彩と角膜との間の隙間の狭い人では、痛み止め、麻酔薬、風邪薬、胃腸の内視鏡検査に使う薬剤などで、この発作を誘因してしまう危険があります。この判断は眼科が見れがわかるものです。 - 発達緑内障
房水の流出路の途中で何らかの先天的な障害があることにより眼圧が上昇して発症します。しかしながらこの先天的な障害と言っても非常に多くのパターンがあり、以前に出産直後で見つかる先天緑内障と言われたタイプも含まれますが、あまりにも多くの緑内障が含まれるために、発達緑内障個々で対応を決める必要があります。 - 続発緑内障
他の多くの緑内障では原因がなかなかわからないのですが、全く別の眼科疾患が存在して、これが2次的に眼圧上昇をきたして発症する緑内障を言います。この緑内障で重要なポイントは緑内障として眼圧を下げる治療だけではなく、元の疾患の治療を行うことです。もちろん元の疾患がはっきりとわからない例もありますが、直接的な原因を放置して眼圧下降治療だけを実施しても効果は十分ではないのです。元の疾患には炎症、外傷、腫瘍など多くの疾患が含まれます。