視力は変わる?

外来で診ていますと、視力検査の結果が前回より悪くなっているために患者さんが心配になることが少なくありません。
視力検査の原理を説明しますと、明らかにわかるような大きな指標を提示して、次第に小さな指標に変えていきます。ということはある程度以上の小さな指標になりますと、わからなくなってしまいますね。この明らかにわかる指標とまったく判断ができない指標との境界を求めることが視力検査なのです。ですから、境界近くになりますと、見えたり見えなかったりするはずです。視力検査では5個の同じ大きさの指標を提示するのですが、5個のうち3個の指標が見えて正解であれば、その指標はパスしたとされます。逆に5個の中の2個以下しかわからなかった場合は不正解とし、その大きさの指標は見えなかったとされます。この時、指標を小さくしていき、5個の中の3個以上見えたところの指標サイズがあなたの視力になるのです。
ようするにこの5個の中の3個見える境界は、確率で示されますので、毎回絶対的なものではなく、測定のたびに変動するのが普通なのです。
本当に病的に視力低下があれば問題ですが、疲労の影響や検査の不慣れなどが原因となっていることがけっこうありますので、すぐに不安にならず担当の眼科医の判断を待ちましょう。