手術できます。注意していただきたいのは、緑内障の手術をしてからしばらくして視力が急に低下してくる場合があるということです。このような時、ほとんどは網膜の神経がほとんど消失してしまった状態で手術を受けたと考えられます。
緑内障が怖いのは、視神経の大部分がなくなっていても、それは周辺を見るための神経であって、眼の中心に存在している、視力に直接関係している神経は最後まで温存されるということです。
この最後に残った神経は、完全には正常ではなく、少しの環境変化にも敏感に影響を受け、急速に消失しやすいものなのです。余裕のある健康な神経ではなく、疲労で衰弱しきった病的な神経が一生懸命働いて、かろうじて視力を保っていたのです。このような状態で手術をした場合、手術の結果にかかわらず残った神経が消失してしまう可能性があります。
手術をしなくても視力が消失してしまう危険性は高いわけですから、このような患者さんに対して緑内障の手術をするかしないかの判断は非常に難しく、手術をした場合に起こりうる事と、手術をしなかった時に起こりうる事について十分に話をお聞きになった上で決定されるべきです。